Inconvenient Truth

ボストン界隈で環境関係の勉強をしている人の勉強会で教えてもらった映画。予告編がこちらで見れます。

An Inconvenient Truth

この予告編で話をリードしている人は、アル・ゴアさん。クリントン政権時の副大統領で、2000年大統領選の民主党候補です。彼は、1997年の京都温暖化会議にも最終日前日に来日し、米国のコミットメントを与えたキーパソコンでした(ちなみに、当日だけやたら会場の警護が厳しくなり、ぼくは中に入れなかったのは余談)。

温暖化関係の話となると、科学的にも分かっていないことも多く、それに乗じてウソ大げさ紛らわしい情報が世の中には氾濫しているのですが、この映画、実際に予告編を見たMITの教授の話によると、いつぞやのThe day after tomorrowと違って、科学的にそれなりに正しいとか。日本でやるのかは不明ですが、アメリカ在住の方はぜひどーぞ。

おまけ。海面上昇したらどの程度水の底に沈むのかが分かるページ。
Flood Maps

村上龍さんvs近藤くん

BostonLetter2006-04-28


id:jkondoさんちのページに、村上龍さんとのおしゃべりが動画でのっていたので、ちと見てました。「はてなの紹介」といっておきながら、後半は今度出演する「カンブリア宮殿」の予告編になっているのはご愛嬌。
http://d.hatena.ne.jp/jkondo/20060429

まぁそれはさておき。

村上龍さん(なんど変換しても硫酸になる)からのリクエストに「はてながここまで成功した理由を、あきらめるな、とかその手の精神論だけではなく話して欲しい。またその理由も、近藤さんしかできなかったことと、誰でも出来うることを分けて話していただければ」というものがありました。

さすが面白いことを言うなと眺めていたのですが、これ、なかなか難しいリクエストだなと考え込んでしまいました。僕だったらなんと答えようかと。

そこで思い返したのが、先日のJapan Tripの最中に、何度も聞かれた「ハーバードに入るために何が必要?」という質問。とにかく努力すること?途中であきらめないこと?はたまた、推薦状やエッセーの傾向と対策を入念に調べること?あらかじめ先生に会って熱意を示すこと?どれも、必要なことですが、実はそんなことよりも、「なぜハーバードに来たいのか」「ハーバードで学んだことをどう世界に使いたいのか」という具体的な目標を語れるようになることが一番必要だと説いて回ってきました。ハーバードに入ることが目標、としているようでは、admission letterは遠いよ、と。

実はこの認識をぼくに植え付けたのは、他でもない近藤さんでした。数年前、はてながとある賞のグランプリを逃したときに彼に電話をして「残念だったね」と言ったのですが、彼は「はてなはまだまだ成長途中。大賞は、また次に取ればいい」とあっさりと言われたのです。ぼくが目先の目標(大賞受賞)のことを言っている傍らで、社長さんは、ずっとずっと先のことをちゃんと見ていたのですね。やられました。

実際に番組で近藤くんがどういうか楽しみですが(と言っても見れないので、だれかビデオで取っておいてくださいませ〜)、彼しか出来ない超人的なことではなく、「気がついていないだけで、実は誰でも心がけ次第で出来ちゃうこと」を、また、教えてくれることを楽しみにしております。

参議院・三重県候補

BostonLetter2006-04-27


ボストン界隈の方はご存知の方も多いと思いますが、本校の小野崎耕平さんが、来年秋の参議院三重県選挙区から自民党の公認候補として出馬することになりました。

三重自民・参院選候補 小野崎氏に正式決定

自民党三重県連は二十二日、津市で総務会を開き、来夏の参院選三重選挙区(改選数一)に外資系メーカー勤務の小野崎耕平氏(36)の擁立を正式に決めた。

小野崎氏は同県桑名市生まれ。法政大法学部卒業後、医療関連メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン(本社東京)に勤務。一昨年九月から休職し、米ハーバード大公衆衛生大学院に留学して医療政策を専攻している。今年六月に卒業見込み。

会見で「日本を元気にしたい。地域などの問題を勉強し、政策を考えていく」と述べた。県連は国政選挙で初めて候補者の公募を実施し、小野崎氏の擁立を固めていた。
中日新聞

小野崎さんとは、ぼくがボストンに渡った数日後に初めて出会い、以来2年間、ほとんどのプロジェクトでご一緒させてもらいました。思い返してみると、たいていのプロジェクトの始まりは小野崎さんからの突然の電話で、

小野崎「ねぇ、今度こんなことやろうと思うんだけど、どう思います」
ぼく「あー、それはいい案ですよねー。でも、この辺りとこの辺りが課題ですよねー。できますかねー、どうですかねー」(←適当な相槌)
小野崎「いや、それくらい大丈夫ですよ!がんばりましょー!!」(あれ、いつの間にかメンバー???)

なんて会話で引っ張られることが多かったような気がしています。でもおかげで、Japan Tripを始め大々的なプロジェクトが多々できたのですが。


彼の夢を実現する力というのは、ちょっとお目にかかれないものがあります。現在それがなくても別に困らずにうまく回っているところにあえて波紋を投げかけ、必要性を説き、その夢についていこうとする人を集め増やしていくという「無から有への転換の旗振り能力」を持っていける人は、世の中にそんなにいません。小野崎さんはそれができる人ですし、かれの持っている能力をみなで共有できる社会というのは、世の中の人にとっても便利なことこの上ないなと思っております。


ボストン界隈随一の質を誇っていたハーバード・ビジネススクールdiwaseさんのブログに、小野崎さんからのメッセージが載っています。重複するのもあれなので転載しませんが、ぜひ、一度、ご覧ください。

  • 追記(5/2)

サイトもできたようです。
http://onozaki.exblog.jp/

環境派vs産業派

最近、まったく授業のことを書いていないので、ちゃんと大学に行っているということを証明するためにも、ちょっと今日の授業の様子を。

今日のEnvironmental and Occupational Epidemiology(環境労働疫学)の授業は、環境派と産業派に分かれ、ある物質の規制の要否についてのディベート。といっても、好き勝手に議論を進めていいのではなく、論点は、あらかじめ与えられた論文10本が、それぞれ、もしくは全体として、どの程度信頼性があり、一般化できるか結果を提示しているかに限定されています。つまり、

  • 調査対象としたグループに一般性はあるかないか
  • 原因A→結果Bという関係以上に、別要因Cが影響を与えていないか

などなど、言いがかりをいかにつけるか/かわすかがポイントです。論文も、一見、もっともらしい関係がありそうだけど、微妙に研究の組み立てなどに問題がある、ストライクゾーンからボール1個分はずれたものが用意されています。

で、今日のネタは、有機リン化合物とNon-Hodgkinsリンパ腫の関係について。あぁなんてマニアなネタ。

さて発表。15分ずつの各チームからのプレゼン、30分のチーム同士の質疑応答、15分の会場からの質疑応答を経て、最後に会場の投票によって規制の有無を判定するという仕組み。冒頭の両チームのプレゼンは、どちらも軽くジョブ。それほど大打撃を与えているようには聞こえない。その後のQ/Aセッション。産業側が立て続けに研究の甘さを突っ込む。といっても、産業側も「絶対関係がない」とまでは言い切れないようで、「今後とも調査が必要」という、まぁ当たり前の主張に落ち着いている。

やや均衡状態が続いたあとに、産業側がやや際どく攻め込んだところ、環境側が切れ気味に「そうやって文句を言えばいい。実験がしたかったら、あなたの家族でやればいい。その間にも人が死んでいくのを黙ってみていればいい。」とか言い出す。

あちゃー。

「理屈で負けそうだったら感情に訴えろ、感情で負けそうだったら理屈に訴えろ、理屈も感情も負けそうだったら、わめき散らせ」という議論の法則を地でいっている姿に感動しつつ、科学的な議論をしようと言っているときに、それはなかろうにと思って、ぼくは白けてしまいました。

その後の議論はどうでもよくなってあまり聞いていなかったのですが、結局、環境側の敗北。上手にやればもっとうまく丸め込めただろうになー、と思いつつ。とはいえ、判定者が科学者(の卵)ではなく社会一般だったら、今日の議論でも十分環境側が勝てたんだろうなと思うと、やはりイメージ論(というか感情論)が大切なんだろうなと思った授業内容でした。

Japan Trip報告@ハーバード日本人会

Japan Tripの報告を、Business School, Keneddy Schoolと並んで我がHSPHからも行うということで、「他校に負けないプレゼンをしてこい」という命令がJapan TripのVice Presidentから下ったこともこれあり、いままでやりたくてたまらなかった「高橋メソッド」を使って、10分間のおしゃべりをしてきました。

高橋メソッドとは------。去年くらいからネット上ではやっていた、むやみに大きな字が特徴的なプレゼン手法です。(詳しくはこちらから)。いや、実は前から、大学の授業の発表でやってみようと虎視眈々と狙ってはいたのですが、なかなかよい機会が見つからず、今日に至ったわけです。

というわけで、今日の発表。10分の発表に用意したスライド枚数は104枚でした。その一部を公開。

 
 
 

やってみて思ったのですが、この手法、いつものプレゼンよりもはるかによく練ってからやらないといけないなと思いました。余分なことは言えないし(言いたいことはスライドを用意していないといけない=アドリブが効かない)、きれいなスライドを見せてごまかすこともできないし。まぁ反対にいうと、十二分な事前準備を強制させられるという意味では、役に立つ方法なのかもしれませんが。

みなさん、楽しんでいただけましたか???

ハーバード日本人会

2005年度 ハーバード日本人会 Farewell Partyのお誘い


日時:4月23日(日) 12:00−14:00
会場:Harvard Business School Campus内
   One Western Avenue Common Room
会費:15ドル(予定) 小学生以下のお子様は無料
スケジュール:12:00 パーティー開始
           (立食形式で、お寿司を御用意する予定です)
       12:30 幹事挨拶
           *Japan Trip報告会(前回ご案内のスピーチより変更)       
       13:45 来年度幹事紹介
           卒業生の今後のネットワーク作りに関しての御案内

今年から一気に活況を呈したハーバード日本人会。テスト前の忙しい時期にもかかわらず、今回も60人くらいの方が集まってお寿司を堪能してきました。

各スクールの幹事の方々、お疲れ様でした。ここでのネットワークがこれからも続きますように。