環境派vs産業派 @ Air Pollution

いつぞや書いたEnvironmental and Occupational Epidemiologyの授業で、自分たちのグループの出番が回ってきました。11人からなるグループに10本の論文が渡され、各論文の中身を分析して、自分側の正当性を主張し、相手側の弱点を攻撃するというもの。今回の僕たちのテーマは、「大気汚染が低出生体重児出産に関係しているか否か」。我がチームのプレゼンタイトルは、"Murky Findings, Mixed Messages, and Public Angst"(曖昧な研究成果、ごちゃ混ぜのメッセージ、そして社会の混乱)。タイトルから分かるとおり、産業側に立ってのプレゼンです。

10本も論文の中には、両者の関係を示したデータがゴロゴロしているので(というか、関係を発見したものしか論文にされない)、今回我がチームは、論点を2つに絞り込み、集中的にそこを攻めるようにしました。簡単に言えば、

  • 出生児の体重が減ったのは、大気汚染が原因ではなく、他に原因がある
  • 関係があるように見えるのは偶然の産物である(いっぱい実験をすれば、数個ぐらいは関係があるようなものも出てくるでしょう、という論理)

ということを、数字を出しながら証明していく手法をとりました。

始める前には、「互角かやや弱いかなー」と思っていたのですが、環境側チームが、都合のよいデータばかり切り取ったグラフをプレゼンで連発してくれたおかげで、QAセッションでは2番目の論点で攻撃しまくれました。都合のよいところだけを切り取って発表すると、それがばれた時には、観衆にとっても悪印象として跳ね返ります。

この感覚、何だっけなー、と思い返してみると、その昔、そんな関係の仕事をしていたときに、いかに「都合のよいデータをもっともらしく見せるか」、言い換えると、「世界中の誰に聞かれようが、ひるむことなく、自信を持って説明できるに耐えうる資料(ニュートラル)だけど、一目でメッセージを伝えれるような資料」を作るのに苦労したことを思い出しました。今回の環境側チームの資料作りは、その意味では甘かったですよね。ぼくだったら、一番メッセージ性が強い点に絞って、両者に関係があると説得をかけたでしょうに。

えっ?結果?我がチームのエースストライカー・インドからお越しのお姉さまの圧倒的破壊力によって、相手側は完全に粉砕され、クラス皆による判定では歴史的な大勝利を収めました。いぇい。

↑今回の我がチームのキャッチフレーズだった (Air Pollution) Presumed Innocent。