水質汚染発祥の地

せっかくだから、もうひとつ発祥の地ネタ。

日本でも世界でも、ある川が汚れているか否かで最もよく使われる指標に、BOD (Biological Oxidant Demand)というものがあります。無理に日本語に訳すと、生物化学的酸素要求量(でもだれもこんなフルネームで読みません)。この発祥の地が、同じくロンドンのテムズ川です。

川の水の中には微生物くんがいっぱいいるので、何もせずほっておいても、汚れた汚染物質を勝手に食べて分解して、水を綺麗にしてくれるのですが、問題は、どの程度「ほっておくか」という点(長時間ほっておけばそれだけ消費するのは当たり前)。その世界標準は5日間と決まっているのですが、この5日間という数字、マンチェスターから海へ至るまでの300kmをテムズ川の水が流れるのに何日かかるかに由来しています。簡単に言えば、マンチェスターの汚染水が海に出てしまうのを防ぐため作られた基準です。

なので、「日本のように急流の河川には、こんな5日間ものんびりと実験した結果を使っていてはいけないのだよこれだから東京もんのやることはまったくぶつぶつ」と主張する研究者もいます。えぇ、それがぼくの大学の先生たちです。

まぁそんなマニアなネタに思いをはせつつ、ロンドンにお越しの際は、テムズ川を眺めてみてくださいませ。