イグノーベル賞

伝統を誇るこのイグ・ノーベル賞も今年で15回目。授賞式はハーバード大のメモリアルホールにあるSanders Theaterという由緒正しき会場。

今年のテーマはインフィニティ(無限大)。本物のノーベル賞受賞者5人くらいがプレゼンテーターとして登場。例年、掃除係(!)をしていたRoy Glauber博士は、今年のノーベル物理学賞受賞のため参加できないらしい。

数々の受賞者が発表されていく。
「バッタの興奮神経の研究〜スターウォーズを題材として〜」
「シロップ中と水中、どちらで速く泳げるか」
「ペンギンのおならの物理学的考察」
「必ず目が覚める目覚まし時計」
などの受賞者の発表が続く。

そして彼が現れた。
「続きまして栄養学賞の発表です。イグノーベル栄養学賞は、日本のDr. Nakamatsuです」
大歓声。
「35年間、毎日自分が食べる食事を写真に収め、3日前の食べ物が自身の頭の働きや体調に影響を与えることを突き止めた研究に対して贈られます」
背景に彼が取った食事の数々が映し出される。場内大爆笑。

受賞スピーチでは、ゆっくりとした英語で、「35年間で何万枚も取ってきた。食事の前には、忍耐が必要」ということを簡単に述べ、最後に"Life should be long, speech should be short"(人生長く、スピーチは短く)で締めくくる。再び場内大爆笑+スタンディング・オベーション

まさか日本人が、しかもDr.中松が受賞されるとは露知らず、突然の発表に興奮して中身もあいまいですが、こんな感じでした。ひいき目にみても、イグ・ノーベル賞受賞者のなかで一番受けていました。

帰り道、テレビ朝日につかまってインタビューされちゃったけど、あれはどうなったんでしょう。映らないことを祈る・・・。

イグ・ノーベル栄養賞にドクター・中松
 人々を笑わせ深く考えさせてくれる研究に贈られるイグ・ノーベル賞の運営団体は、6日までに発明家のドクター・中松さん(77)に栄養賞を贈ることを決めた。35年間、毎日自分が食べる食事を写真に収め、3日前の食べ物が自身の頭の働きや体調に影響を与えることを突き止めた、というのが授賞の理由。米国時間で同日夜(日本時間7日朝)に米ハーバード大の施設で正式に発表する。
http://www.asahi.com/national/update/1007/TKY200510060344.html

<公式ホームページ>
http://www.improb.com/ig/2005/2005-details.html

追記(全受賞者リスト)

  • 物理:タールの塊が漏斗を9年に一滴ずつ滴る1927年に始めた実験に対して

Queensland大学John Mainstoneと故Thomas Parnell両氏

  • 医学:犬の人工睾丸Neuticlesの発明に対して(去勢後の犬に移植するものの模様)

http://www.neuticles.com/ http://www.neuticles.com/index1.html
ミズーリ州Greg A Miller氏

  • 文学:ナイジェリアからの手紙

http://www.geocities.jp/zxekakashi/text/419.htm

  • 平和:スターウォーズのハイライト鑑賞時のバッタの脳細胞活動の電気的モニタリング

Newcastle大学Claire Rind、Peter Simmons両氏

  • 生物:131種のカエルについて、ストレスを感じている時に発する特有の香気カタログの作成に対して

国際的科学者・調香師チーム

  • 経済:生産的な時間を人々に提供する逃げ回ったり隠れんぼしたりする目覚まし時計の発明に対して

マサチューセッツ工科大学Gauri Nanda氏

  • 化学:シロップ中と水中、どちらで速く泳げるかという疑問の解決に対して

http://www.nature.com/news/2004/040920/full/040920-2.html
ミネソタ大学Edward Cussler、ウィスコンシン大学Brian Gettelfinger両氏

  • 農業史:Richard Buckley氏の爆発するズボンに対する学術研究に対して

http://caliber.ucpress.net/doi/abs/10.1525/ah.2004.78.3.346
ニュージーランド、Massey大学のJames Watson氏

  • 流体力学:物理的基本原理を用いた排便時にペンギンの体内で生成される圧力の計算

ドイツ、ブレーメン国際大学Victor Benno Meyer-Rochow、ハンガリー、Lorand Eotvos大学 Jozsef Gal両氏

授賞式ビデオ

dr.中松の登場は全体の8分目くらいのところ、デート企画の直後です。ご覧あれ。
http://play.rbn.com/?url=ignobel/ignobel/demand/ig2005.mov&proto=rtsp