カトリーナその後

 当初、心配されていた洪水・冠水に伴う大規模な感染症アウトブレイクは報告されていない。スーパードームの被災者の一部に、ロタウイルス感染やコレラの流行があり、人食いバクテリアといわれるビブリオバルニフィカス感染なども見られたが、いずれも限局した流行であった。実は過去の経験から、この事態は予想されていた。多くの人が信じていることとは裏腹に、洪水・冠水の後のコレラチフス熱などの感染症の流行は常に発生しているわけではない。2004年のインド洋沖津波後の被災地でも、感染症アウトブレイクは確認されていなかった。
米国医療はハリケーンにどう対応したか

ハーバード大学人道援助組織(HHI:Harvard Humanitarian Initiative)にいらっしゃる永田さんが、カトリーナ直後の様子を日経BP書いております。先日(id:BostonLetter:20050907)書いたような危機的状況はあまりなかったようで。何よりです。

そういえば、この前ニューオリンズで調査を行い帰ってきた友達と話していたのですが、現地では水道中のヒ素濃度があがっているとか。言われてみれば、海水はヒ素濃度が高いのでその影響かと思うのですが、これで当分の間は土壌に蓄積するのでしょう。(ちなみに、土壌→植物への取り込みは、目下研究中で不明な点も多いらしい)