感染症学ケーススタディ(鳥インフルエンザ)

BostonLetter2005-11-21

世の中、タミフルの話題がはやっているようですが、今日の"Epidemiology of Infectious Diseases"の授業では、中国とベトナムのケースが取り上げられました(両国とも目下話題の一大感染源)。鳥さんがバタバタ死んでいく時代はすでに終わっていて、ディスカッションの関心事項は、人から人へのウィルスが出現した場合にどのように対策をとるかという点。そこで出た教授からの次の一言。

タミフルはロシュをsaveするが、publicはsaveしない」

そうなんですよねー。予防接種という性格のものでもなければ、ウイルス君を殺してくれるわけでもないので、publicを守るようなものではないのでしょう。もっとも、患者は助けてくれかもしれませんが。

鳥インフルエンザ、「致死率が高い」とかセンセーショナルにあおっている記事も多いのですが、単に分母が過小評価されているだけ(報告事例が重症患者に偏っている)という指摘もあります。一方、人−人の変異が出たときに、どのような性格を持っているのかは誰もわかりません(だいたい予想はありますが)。

まぁ、とりあえず庶民としては、心配する前に、手洗いとうがいをしっかりしておきましょう。