インフルエンザ

 たまには真面目なことでも書いてみましょう。今日の質問者は埼玉県在住のSKさん。まもなくご結婚ですか。おめでとうございます。

アメリカでインフルエンザワクチンが足りないということで騒ぎになってますが、
(1)インフルエンザウイルスは型も多いし予測もあまり当たらないから、日本では小学生とかに対する強制ワクチン接種をやめてしまったのでは。
(2)最近は流行るウイルスの予測の精度が上がり、ワクチンを接種した方が断然よいのでしょうか。
(3)昨年の亜種が流行りそうだということであれば乳幼児と老人のみワクチン接種を念のためしておけば足りるのではないでしょうか。

むむむ。このサイトのお客様には、この手の専門家が大勢いらっしゃるので、素人が書くのも非常につらいところですが、ネタもないし、思うところを書いて見ましょう。コメントうえるかむ。

さて、日本でどのくらい報道されているかは知りませんが、そのとおり、製造会社がとちってワクチンが大幅に足りない状です。去年、アメリカでインフルエンザが大流行したことなどもあり、メディアでの取り上げ方も結構頻繁かなと思っています。

僕が小学生だったころなんかは、インフルエンザ予防接種は半強制だった記憶があるのですが、94年から日本では強制接種が終わっています。一般的には、有効性・安全性の懸念が原因だそうですが、金の話もあるのかな?予防接種法だからMEXTではなく、MHLWですかね。

予測精度がどの程度上がったかはよく分かりません。製造時間を考え、半年前に流行株を予測して作るそうです。そりゃ、外れることもあるでしょうに。まぁでも、それなりに効果はあるようで、CDCのホームページなんかを眺めていると、「平均的して、年間20万人がインフルエンザで入院、3万6千人が死亡、その多くは高齢者。ワクチン接種をすると70%-90%が感染をまぬがれ、感染した残りの人たちも症状が軽く済む」らしいです。副作用の話も有名ですが、まぁめったにはならないようです。もちろんゼロではないので、最後はベネフィット(病気予防)とリスク(副作用)のバランスの問題ですが。

ちなみに、公衆衛生の観点から言うと、みんなでワクチンを打つことによって、社会全体のリスクが減らせれるので、接種推進派が多いと思います。この前の疫学の授業では、アメリカと日本の発症率の経年変化を比較したグラフを大画面に映し出して、先生が日本のインフルエンザ強制接種制度をメチャクチャ褒めていました。
「日本はこんなにすばらしい制度をもっている。負けるなアメリカ、頑張れアメリカ!」(やや誇張あり)
と高らかに言っているのを聞きながら、隣にいた麻酔屋さんと「もう終わっちゃったのにねぇ」と呟きあったところでした。